カヤックフィッシング入門

INTRODUCTION　
カヤックフィッシングの魅力

１９９７年、当時留学生だった私はワシントン州デセプション・パス州立自然公園で環境保全についての野外授業を受けていました。年間を通じて穏やかなプージェット湾のその小さな砂浜に、カヌーでもなくディンギーでもないなんともスタイリッシュな小船に乗った人々がやってきたのです。それがカヤックとの出会いでした。その後、15年にわたり世界中の海や川でトライ＆エラーを繰り返した結果、納得のいくカヤックにたどり着きました。「Jumping into the new world」カヤックが進化した今、誰でも気軽に新しい世界への挑戦が可能になるのです。カヤックを通じた新しいライフ・スタイルの提案。それがカヤック・フィッシングです。

Why Kayak Fishing
なぜカヤック・フィッシングなのか

カヤックフィッシングを通じて、私が手に入れたのは「自分だけのフィールド」です。陸っぱりで攻める港湾のランガンでは物足りない。週末の堤防は釣り人でごった返し、入る場所も無い。遊漁船の仕立てやマイボートでは大袈裟すぎる・・・欲しいのは一歩先のポイントでした。カヤックをさらに使いやすいように艤装を施してカスタマイズする。ポータブル魚探やハンディＧＰＳを駆使して、手前船頭でゲレンデを開拓する。行きたかった場所の自分だけのシークレット・ポイントで、納得するメソッドで魚を獲る。これがカヤックフィッシングの醍醐味です。

近年、進化したフィッシングカヤックの登場で、誰でも簡単にカヤックを操ることができるようになりました。スピードや安定性が増したことでフィールドへのアクセスがより身近に、また手軽になりました。そして何よりカヤックフィッシングは、エキサイティングなこと。これまで味わったことの無い水面ぎりぎりの世界、自然との一体感、そこから見える景色。フィールドに出ればでるだけ、自然のこと、環境のことが知りたくなりました。私は、カヤックフィッシングを通じて、皆様とこの感動を分かち合えると確信しています。

Where to Kayak Fishing　
どこでカヤックフィッシングをするか

私たちの住む地球の表面積の７０％以上は、水域で覆われています。すなわちカヤックフィッシングをするフィールドは、無限の可能性があるということです。特に、日本は四方を海で囲まれ、内陸には河川や湖などが点在するなど地形の変化に富んでいます。また、四季を通じて多彩なターゲットを求めるには極めて恵まれた環境にあります。カヤックフィッシングを楽しむには、先ずはあなたが慣れ親しんだ身近なフィールドから始めてみてください。最近は、個人でもパソコンでグーグルアースなどのデジタル情報を利用して、出艇場所やコースの計画を簡単に練ることができます。

また、海図（チャート）を利用して航路を調べたり、海岸線とその周辺の水深や地形を得ることもできます。このようにゲレンデ開拓をすることで、その土地の新たな魅力も発見できるのもカヤックフィッシングの楽しみの一つです。また、地元のプロショップやブログ、地域のカヤック・フィッシングの先駆者から情報収集をするのもよいでしょう。最近は、各地のゲレンデでカヤックフィッシングを通じて見知らぬ者同士が交流を深めていく光景を目にすることも増えてきました。環境にやさしいエコフレンドリーなアクティビティとしてカヤックフィッシングが各地で盛り上がりを見せています。