Kayak Fishing Paddling
カヤックフィッシング・パドリング

パドリング時に前かがみになったり後傾になる人がよくいますが、前かがみの姿勢は腕の力に頼ったパワーのないパドリングになりがちです。逆に後ろに反りすぎるとスピーディなパドリングができません。コクピットに座ったら姿勢よく背筋を伸ばし、腕、肩、腰の上半身を上手く使うことを心がけるだけで長距離を楽にパドリングすることができます。また、視線は艇の付近ではなく、行きたい方向に視線を向けることで、より直進性が増します。パドルを握る位置は、胸の位置で両手を左右に広げ、そのままひじを直角に曲げた幅が基準となります。パドルの中には握りやすいようにシャフトの一部が楕円になっているものもありますので、その場合は持ち手に合わせて左右均等に持ちます。
SOTカヤックフィッシングに必要な基本的なパドルの操作方法は、以下の3つです。

カヤックフィッシング・パドリング

  1. フォワード・ストローク: 艇を前に進める最も基本的なテクニックです。水をキャッチしたブレードを引く腕に対して、反対の腕を押し出すようにすると力強いパドリングができます。シャフトの角度は、水面に対して45度位が理想的。
  2. リバース・ストローク: 艇を後進させるテクニック。上半身をひねってどちらか一方から後方を見ることがつぼ。パドルの背で水面をとらえて、後ろから前に押し出すように漕ぐ。
  3. スイープ・ストローク: 艇をターンするときにきっかけをつくるテクニック。バランスを崩さない程度に一番遠くの斜め前方の水をキャッチして、上半身全体で腰をひねり半円を描くように漕ぎます。

その他、必要に応じて役立つテクニック
‐ スラップ・サポート: とっさの時のリカバリー・テクニック。バランスを失いそうになったときに、ブレードの面で海面を叩き、艇のバランスを立て直すリカバリー法です。
‐ スカリング(8の字漕ぎ): 艇を真横に進ませるテクニック。浮き桟橋の接岸や仲間のカヤックに横付けしたいとき、シーバスの穴撃ちなどストラクチャー周りを攻めるときに多用します。

以上のパドリング技術は、『シーカヤックで海を遊ぼう』(舵社・西沢あつし著)に写真付きで詳しく紹介されています。全国のシーカヤックスクールやACA(米国カヌー協会)公認インストラクターなどの講習会に参加し、安全で正しいパドリング技術を身につけることもまた、カヤックフィッシングで釣果をあげる近道のひとつです。